基本と応用。
こちらは私が参考にしていた放水姿勢についての動画。
やあ!デイブ・マクグレイルだ。今日はデンバーFDのブロックとジムに手伝ってもらって、ノズル担当の動きと補助員の動きの2つを見ていこう。
「ブロック、まずはキミが実践している効果的で安全な放水を皆に見せてやってくれるかい?」
【ブロック隊員】
「了解ですチーフ!世の中にはいろんな放水方法があるから、皆好きな方法を使ってください。僕に一番合った方法はというと、
①ホース側の膝を立て、つま先立ちになる
②ホースを腋の下、できるだけ高く抱え込む
③立てた足の内ももに、ホースを抱えた腕の肘を当てる
これで反動力に対抗できる
④ノズルのコックがちょうど腕を伸ばした長さの位置に来るように、ホースを把持する。
これで、前を“叩く”ことも、床のデブリを“掃く”ことも自在にできる。操作性がとても良い。
こんな感じです。」
~~放水~~
【デイブ署長】
「いいぞ!じゃあお次は効果的で安全な放水に必要な、補助員の動きについて、特に重要なところを紹介してくれ」
【ブロック隊員】
「わかりました!まず水の乗ったホースラインに対して重要なのは、地面に触れるポイントに荷重をかけていること。これによって放水反動力を地面に逃がすことができます。膝で押さえつけるか、両手で抑え込むのもいいでしょう。
次に前進するときですが、僕は補助員にも分身のように僕と同じ体勢を取ってほしい。さっき言った姿勢です。」
【デイブ署長】
「とてもよかったぞ!これで効果的で安全な放水について、ノズル担当と補助員両方の動きを見れたわけだ。おさらいすると、
①放水姿勢(ホースと体の接点)
②ホースラインが地面に接し抑えられていて、反動力を逃がしている(ホースと地面の接点)
③前進するときは補助員は前の動きをコピーする
この3つが重要だ。
これを覚えていてほしい。見てくれてありがとう。」
これを見てとてもいいなと思うのは、説明がとても具体的だということ。
姿勢の「型」を細かく説明していて、ざっくり「低く」とか言ってきた自分を恥じてしまいます。
日本ではポンプ操法の基本の放水姿勢以外は、決まりがないというか、自由じゃないですかね。特にこういったインテリアアタック(屋内進入しての放水)は。経験上そんな感じがしますが、勉強不足なら謝ります。
そして放水。弧を描くように前方を叩き、床を左右にスウィープ(掃く)。素晴らしいと思います。実戦に即していて、訓練の的当てタイムレースとは一味違います。
さらにホースの「しなり」を利用している点。これにより鞭で打つような放水になっています。ノズルを把持していてはこうはなりにくいです。
教科書を含め、ここまで理論的に解説されたものを日本のもので見た記憶がありません。
まあその辺が日本人の不得意とするところらしいです。「盗め」「見て覚えろ」の文化。批判ではないです。いつもの「違い」です。
でも変革を迫られているのは間違いのない事実です。言葉にして伝える。とても難しいことです。
探せばもっと他にも放水の姿勢は出てくると思います。べったりホースの上に座り込むなんてのもアリです。
日本では良くも悪くも「姿勢」が重要視されます。内面的な姿勢も含めて。ポンプ操法のアノ姿勢でないと、「なんだその態度はッ!」と外野からヤジられかねないので、頑張ってる感を出すことが重要です。これもまた、徹底合理主義の国との違い。
論調が批判的になってしまいました・・・私は何もアメリカの消防を盲信しているわけではありませんので。
どっちにも、良いところも悪いところもあります。いろんなとこから学びましょうというだけのことです。
何かの足しになれば幸せです!